分け入っても 分け入っても・・・【スタッフブログリレー】(第51走者)

こんにちは。今回はナイトフロント甲斐が担当致します。

分け入っても 分け入っても 青い山

俳人山頭火は旅(行乞)の途中、高千穂でこう詠んでいます。
九州山地のほぼ中央に位置する高千穂は、山頭火のいうように
山又山を分け入って、いくつもの谷を渡りポツンとある小さな町です。

私の愛する向山地区 黒仁田集落はさらに車で20分、
約40戸の家々が急峻な山の斜面にへばりつくように点在しています。

たかだか50年前100戸以上あった民家も美しい棚田も、
手入れの行き届いた畑も里山も、今はもう見る影もありません。
太古の昔、神々が降り立ったというロマンなどとはかけ離れた現実があるのです。

しかし、ふるさとへの思いは年を重ねるごとにますます強まります。

かつて、この地に住み棚田を築き畑を開いた先人達の思い、そして労苦は
果たしてどうなるのでしょうか。それを思うと心が痛みます。

一月 雪の残る 悲しい程に静まりかえった集落を1時間程歩きました。
黒仁田神社の銀杏の木、てんぽなしの木が葉っぱを落とし
昔と変わらない雄姿をみせていました。

この集落の歴史をずっと見つめた古木達。
今は枝いっぱいにみどりをたたえて黒仁田部落を見守っているでしょう。

最後は山頭火の句を

ふくろうはふくろうで 私は私で眠れない

まっすぐな道でさみしい